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東レ、溶媒法でリサイクルPPSをバージン並み分子量で回収

東レは廃棄物からPPSを溶解・再結晶させるベンチスケールの溶媒プロセスを開発した。分子量と融点を保持するが、商業供給は2030年目標だ。

Lisa Brown

Lisa Brown

イノベーションブロガー · 2026年10月13日 · 2 分で読了

東レ、溶媒法でリサイクルPPSをバージン並み分子量で回収

工業用に成形された黒いPPSポンプハウジングが平らな面に置かれている - plascentral.com

東レは、廃棄物からポリフェニレンサルファイド(PPS)をモノマー分解せずに回収する溶媒ベースの手法を開発した。ベンチスケールでPPSを選択的に溶解し、再結晶させてガラス繊維などの不純物を除去できるという。

この方法は、エンジニアリングプラスチックを再構築するのではなく、鎖を傷めずに分離するという点でリサイクルの課題を変える。

PPSは耐薬品性が高いため溶解しにくく、従来の化学リサイクルでは分解後に再重合が必要だった。東レのプロセスは既存ポリマーを保つため、廃棄物から樹脂までの工程を短縮できる可能性がある。

溶媒プロセスから回収された結晶化PPS - plascentral.com
溶媒プロセスから回収された結晶化PPS - plascentral.com

溶解工程は、PPSを含む廃棄物から選択的に溶解し、再結晶させる。ガラス繊維などは分離可能だ。東レはPPS製造の長年の経験が寄与したと説明する。

項目リサイクルPPSバージンPPS基準
分子量バージン材と同等(自社主張)バージン基準
融点バージン材と同等(自社主張)バージン基準
原料から製品までのGHG排出約30%低減(予備計算)東レのバージンPPS

排出量30%低減は予備的な試算で、廃棄物組成や溶媒回収率などの詳細は未公表だ。

PPS廃棄物コンパウンドから除去されたガラス繊維 - plascentral.com
PPS廃棄物コンパウンドから除去されたガラス繊維 - plascentral.com

BASFの循環プラスチックに関する見解も、溶媒法が複雑廃棄物に適すると指摘するが、東レの具体的な条件までは検証していない。

自動車用に成形されたPPS部品を多角から表示 - plascentral.com
自動車用に成形されたPPS部品を多角から表示 - plascentral.com

東レは2024年度の経産省プロジェクトで実証を進め、2030年頃の商業供給を目指す。溶媒回収や混合廃棄物の変動を制御し、安定した品質を出すかが次の課題となる。

編集部の見解

リサイクルPPSを厳しい用途でバージン樹脂に置き換える前に、どの試験を追加で実施すべきか
分子量と融点だけで判断してはならない。引張強度、衝撃強度、色、灰分、残留溶剤、臭気、サイクル安定性、成形品性能のデータを揃え、実際の加工条件で既存のバージン材と比較せよ。熱特性は一致していても、汚染や成形繰り返し後の性能変化で不合格になるケースが多い。
選択溶解を量産化する前に、PPS廃棄物流について何を明確にすべきか
PPS含有率、強化材、添加剤、汚染物質、水分、ロット追跡性を定めた原料規格を先に定めよ。選択溶解はガラス繊維などを分離できるが、未特定混合物では物性ばらつきや溶剤回収コストが問題化しやすい。
予備的な温室効果ガス削減値を購買仕様に使えるか
約30%削減は目安に過ぎない。システム境界、収率、電力源、輸送、溶剤回収、残渣処理が文書化・検証されるまで採用してはならない。原料負荷が下がってもプロセスエネルギー次第で全体フットプリントは逆に増える。
スケールアップ実証と安定したリサイクルPPS供給を分ける証拠は何か
連続運転時間、回収率、溶剤ロス、バッチごとの分子量分布、融点挙動、汚染上限、成形品再現性を求めよ。さらに各出荷を特定廃棄物と工程窓に紐づける変更管理とCoAを必須とする。ベンチ結果が良好でも混合廃棄物のばらつきで商用ロットが安定しない。
コンパウンドメーカーは生産を止めずにリサイクルPPSをどう評価するか
同一金型・乾燥条件・加工窓でバージン材と並行トライアルを行い、寸法・機械特性を比較せよ。QAがリリース基準を管理し、調達は供給安定性とコストを確認する。安全・電気部品への直接置換は避け、サイクル安定性や残留汚染の検証を優先。

出典・参考文献

  1. 1.Toray Industries, Inc. (2026, October 9). Toray Industries develops first solvent-based recycling technology for recovering PPS from waste. Chemical Engineering.
  2. 2.Indian Chemical News. (2026, October 13). Toray develops first solvent-based recycling technology for high-performance PPS. Indian Chemical News.
  3. 3.ICN Bureau. (2026, October 12). Toray develops first solvent-based recycling technology for high-performance PPS. Indian Chemical News.
  4. 4.Endo, K. (2026, October 11). 業界初のPPSリサイクル技術を開発、バージン同等の品質を実現:リサイクルニュース. MONOist.
  5. 5.BASF. BASF. BASF.
  6. 6.TNO. Recycling plastics through dissolution. TNO.
  7. 7.Fraunhofer IAP. Material solutions for a circular plastics industry. Fraunhofer IAP.
  8. 8.Renewable Carbon News. Recycling. Renewable Carbon News.
  9. 9.Penn State Institute of Energy and the Environment. Growing impact explores role coal could play in difficult-to-recycle plastics. Penn State Institute of Energy and the Environment.
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